沖縄本島から西へ約100km、飛行機で約30分の美しい珊瑚礁に囲まれた久米島は、琉球古武道の大家・平信賢(たいらしんけん)氏が生まれ育った場所です。平信賢氏は20代で空手をその後、琉球古武術の鍛錬にも励み、1940年に琉球古武道保存振興会を設立して会長に就任。その一生を古武道の研究・普及・発展に尽力しました。
琉球古武道は様々な武具を用いて修練する沖縄古来の武器術で、これらの武器は日用品や農耕具などに由来し、攻防が一体した実践的な武器として使われるようになりました。棒やヌンチャクのほかにも、ティンベー(盾)とローチン(矛)で一対となる武具、短い棒に取っ手が付いた武具のトンファーなど、平信賢氏は沖縄に伝わる42種類の型を保持し、遺しました。久米島の登武那覇(とんなは)城跡近くには、平信賢氏の功績を伝える顕彰碑が建立されています。
久米島での琉球古武道体験は、島の自然や風を身体全体で感じられるように登武那覇城跡などの絶景スポットで行います。
指導してくれるのは、琉球古武道を中心に沖縄小林流空手を教えている吉本道場の吉本景正氏。琉球古武道の基本的な動きを、実践を踏まえながら稽古してくれます。
様々な武具の解説を聞き、普段手にすることのないような武具を使って、琉球古武道を一から学べるプログラムは貴重な体験。屋外なので身体を伸び伸びと動かせて、より集中できます。
また、久米島では朝ヨガ体験もおすすめです。水平線から昇っていく太陽の光と波の音に、五感が研ぎ澄まされるような感覚が味わえます。
久米島には城跡がいくつか残っていますが、なかでも宇江城(うえぐすく)城跡は標高約310mの宇江城岳山頂にあり、沖縄県内の城のうち最高所に位置しています。360度のパノラマビューで島のほぼ全体が望めます。具志川(ぐしかわ)城跡は15世紀始めに築かれたとされ、海に面した石灰岩の丘陵にあります。
その具志川城跡の近くには、約20mを超える巨大な岩壁のミーフガーがあります。女性が拝むと子宝に恵まれると言われる久米島のパワースポットです。
国指定天然記念物の畳石は世界でも珍しい自然が創り上げた希少な岩で、約600万年前に安山岩のマグマが海底近くの地下で冷えて固まってできたもの。周辺の海の透明度は秀逸で、時間を忘れて過ごしたくなるスポットです。
沖縄で人気の海ぶどうですが、久米島が日本一の生産量を誇っています。海藻の仲間である海ぶどうは、茎に付いた小さくて丸いプチプチ食感が特徴。久米島の海ぶどうは、水深612mから取水した海洋深層水も使用し養殖をしています。そのままでももちろん美味しいですが、「南島食楽園」では海ぶどう入りの卵焼きなどいろいろな海ぶどう料理が楽しめます。
また、久米島は車海老の生産量も日本一。鮮度抜群で甘みのある車海老は、塩焼きや唐揚げ、天ぷらなど食べ方は様々。「ゆくい処 笑島」では車海老そばが食べられ、出汁にも車海老を使っています。どちらも久米島だからこそ味わえるご当地料理です。