人格を磨き、道徳心を高め、礼節を尊ぶ武道は、武技とともにその精神性を養うことができるのも特徴で、海外でも高く評価されています。
武道体験とともに楽しみたいのが、周辺の観光地巡り。景勝地や文化的、歴史的な名所を訪れれば、日本らしさをより感じることができます。
日本刀を使用し、抜刀の技術などを鍛錬する居合道。その始祖とされる林崎甚助重信(はやしざきじんすけしげのぶ)氏は、1542年、羽州楯岡林崎村(現在の村山市林崎)で生まれました。居合神社(正式名称:熊野居合両神社)に隣接する道場では、居合道の体験プログラムを行っています。居合道の形・初発刀(しょはっとう)を高段者から学び、真剣で畳筒を斬る試斬(しざん)体験は人気のプログラムで、そのほか演武や試斬の見学プログラムも実施。真剣を使っての迫力ある抜刀術は見ものです。
日本の伝統文化や日本人の精神文化とも関わりが深い相撲は、日本神話から今に続く、格式ある武道です。力士の姿は江戸時代(1603〜1868年)から変わっておらず、現在では多くの外国人力士も活躍していて、海外での知名度も高まっています。相撲の聖地である東京都墨田区では相撲部屋の朝稽古を、島根県出雲市では相撲の発祥とされる場所を訪れるプログラムに参加すれば、その奥深さをより一層感じることができます。
琉球古武道とは、棒やヌンチャクなどを使って型を修練する沖縄古来の武器術です。この琉球古武道の第一人者と言われる平信賢(たいらしんけん)氏が生まれた島・久米島では、実際に古武道体験をすることができます。久米島は島全体が沖縄の県立自然公園でもあり、景勝地の多い美しい離島。そんな絶景スポットで、自然と一体になって体験する琉球古武道は、久米島ならでは。遠くに透き通る海を眺めながらの体験プログラムは、一呼吸ごとに癒され、同じ呼吸をテーマにした朝ヨガプログラムとあわせて参加すれば、より大きな癒し効果を実感できます。
江戸時代(1603〜1868年)に「加賀百万石」と称された加賀藩は、将軍家・徳川家に次ぐ大藩(江戸時代、将軍より1万石以上の領地を与えられた大名の領地)でした。その歴史を受け継ぐ金沢には、金箔や加賀友禅をはじめとする工芸、能や芸妓文化をはじめとする芸能、茶の湯をはじめとする芸道などの武家文化が今も息づいており、様々な武道も体験ができます。石川県弓道連盟の全面協力のもと、大会でも使用される本格的な弓道場で、袴を着ての弓道体験。剣道7段の師範による剣道体験や侍が実際に所持していた刀剣の見学もできます。
合気道は開祖・植芝盛平(うえしばもりへい)翁が日本伝統武術の研鑽を重ね、さらに厳しい精神的修養を経て創始した現代武道です。現在約140の国と地域で広まり、日本のみならず世界中に愛好家が多くいます。合気道では、年齢、性別などを超えて共に稽古を重ね、優劣を競いません。稽古の中で受けと取りはお互いに技を掛け合いながら心身の錬成を図ります。
合気道の創始者である植芝盛平翁が生まれ育った和歌山県田辺市では、わかりやすい指導のもと、合気道体験をすることができます。
空手は沖縄在来の武術「ティ(手)」と中国武術等が何世紀もかけて融合し独自の武術として発展してきました(※諸説あり)。そして、沖縄から世界へ広まっていき、今や世界の空手愛好家数は1億3000万人以上とも言われています。沖縄空手は、現在、しょうりん流系、剛柔流、上地流と、棒やヌンチャク、サイなどの武器を使用する古武道が主要4流派とされています。道場で行われる夜の通常稽古だけではなく、沖縄空手4流派体験や朝稽古など、稽古メニューは多彩で、海外からも多くの人が参加しています。
相手の人格を尊重し、心豊かな人間の育成のために礼法を重んずる「武道」。
創部から50年以上にわたってその伝統・精神文化の継承と発展に貢献してきたのが、大阪体育大学の剣道部となぎなた部です。そして、大学が位置する大阪府泉南地域は、歴史・文化・産業資源と共に、伝統的な祭り、温泉など魅力豊かな地域です。
剣道となぎなたの専門教授陣の指導のもと、学生剣士と共に剣士なりきり体験からレベルアップまで目的に応じた武道(BUDO)体験と、泉州地域の魅力が融合した観光をLet'sエンジョイ!
相撲は礼に始まり礼に終わるという礼儀を重んじた競技です。力士の所作にも様々な意味があり、両手を大きく左右に広げて手のひらを見せるのは武器を持たずに正々堂々と勝負することを相手に伝えるためであり、塩をまくのは邪気を払って清めるためともいわれています。競技としての側面がある一方、神事として伝統文化の側面も持ち合わせている相撲について、海外の参加者等に「正確に正直に伝える」体験プログラムを実施しています。格式ある相撲の魅力に触れることができます。