流鏑馬(やぶさめ)は馬を走らせながら弓を引く弓馬術で、平安時代(794〜1184年)にすでに行われていたという記述が残されています。その後、鎌倉幕府の初代将軍・源頼朝(みなもとのよりとも)が武運を願い、天下泰平や五穀豊穣などを祈り、1187年に鶴岡八幡宮の例大祭で流鏑馬を神事として奉納。そこから、日本各地に流鏑馬神事が広まっていったと伝えられています。
小笠原家は、初代・小笠原長清に始まる清和源氏家の家系です。源頼朝の弓術・弓馬術・礼法の師範として招かれたことが弓馬術礼法(きゅうばじゅつれいほう)小笠原流の始まりで、以後、代々将軍家の師範役を務め、その技と精神は一子相伝によって受け継がれています。名前の通り特に礼法を重んじる流派で、基本的な身体の動かし方を稽古し、常に緊張感を持って「静中動(いつでも動けるような心構えでいること)」を大切にしています。流鏑馬では「動中静(馬上での激しい動きの中でも冷静でいること)」も求められることから、この両極にある「静中動」と「動中静」の精神が、流鏑馬を行う上で重要だと考えられています。
弓馬術礼法小笠原流の流鏑馬体験ができる場所は東京都と栃木県にあり、実際に馬に乗っての体験は栃木県日光市の「日光馬事センター」でのみ行われていて、英語対応可能なスタッフも常駐しています。体験では礼法とともにまずは弓術について、弓の持ち方や引き方、身体の動かし方など、一人一人の習得度に合わせて丁寧に指導してくれます。
その後、弓道場から出て屋外へ。実際に馬に乗る前に、木馬を使って稽古をします。馬の乗り方や降り方、乗馬の姿勢、騎乗から矢を射るところまで一連の所作を確認していきます。
そしていよいよ、馬に乗って流鏑馬を体験。今まで教わった基本姿勢を意識し、集中して馬上から的に向けて矢を放ちます。小笠原流の所作の特徴は「実用・省略・美」であり、質実剛健で無駄のない動きを重視します。不要な動きをしないよう反動をつけずに動くには、想像以上の筋力を要しますが、無駄を省いたこの動きの美しさを体感することで、小笠原流の流鏑馬の技と精神に深く触れることができます。
「日光馬事センター」から車で数分の場所には、55棟の社殿群からなる日本屈指の観光名所「日光東照宮」があります。508体もの彫刻が施された豪華絢爛な陽明門や「見ざる・言わざる・聞かざる」の三猿の彫刻がある神厩舎(しんきゅうしゃ)はあまりにも有名です。
このエリアは絶景スポットも充実しています。明智平からロープウェイに乗って約3分で明智平展望台へ。中禅寺湖とそこから流れ落ちる華厳ノ滝、男体山などの大パノラマが一望できます。
中禅寺湖も絶景スポットとして知られている場所で明智平からは車で5分ほど。4月中旬から11月30日までは湖内を一周する遊覧船が運行しています。
また、国内外の有名な建築物や世界遺産を25分の1のスケールで忠実に再現したテーマパーク「東武ワールドスクウェア」は、ユニークで写真映えする場所。多彩な観光スポットがたくさん集まっているのも日光の魅力です。
豆乳を煮た際、表面の薄い膜を引き上げたものが「ゆば」で、日光湯波は膜を二つ折りに引き上げて作るのが特徴です。市内には日光湯波を食べられるお店がたくさんあり、「日本料理 日光 髙井家」では彩りも美しく工夫を凝らした日光湯波づくしの料理を存分に堪能できます。
ほか、特製ダシで炊き上げたおこわを半生湯波で巻き上げた「補陀洛(ふだらく)本舗」のゆばむすびもお手軽ご当地グルメとして人気があります。
また、かき氷も日光では有名で、国内に約5軒あるといわれている天然氷の氷室のうちの3軒が日光に集まっています。1984年創業の「松月氷室」のかき氷直営店では、栃木県産の生いちごソースを使ったかき氷が大好評。良質な天然氷で作るかき氷は、軽くてふわふわ食感です。