
五島列島は長崎県の西方約100kmの海上に浮かび、福江島や久賀島、奈留島、若松島、中通島など、大小140以上の島々から成り立っています。海の透明度は抜群で、周囲の山々の色を反映し幾重にも重なるエメラルドグリーンのグラデーションは感動的な美しさ。波打ち際で小さな魚やカニなどの生き物に出会うこともあります。


五島列島最大の島・福江島には10を超えるビーチが点在し、マリンアクティビティが盛んです。「五島SUP」では、遠浅で波穏やかな大浜海岸でのSUP(スタンドアップパドルボード)体験が5月から10月まで楽しめます。SUPボードやパドル、シューズ、ライフジャケットなど、必要な道具はすべてレンタルできるので、参加者は濡れてもよい服装とタオルなどを用意するだけで気軽に挑戦できます。初心者や子供も体験可能で、インストラクターがしっかり指導してくれます。


漕ぎ方などを教わったら、SUPボードやパドルを持って海へ。腕の伸ばし方や前屈みになり過ぎない立ち方についてのポイントなどは、実際に体験しながらインストラクターが教えてくれます。海に落ちても慌てないように、どうやって対応すればいいのかなども丁寧にアドバイスしてくれるので安心です。



安定感のあるSUPボードの上に立ち、穏やかな波に揺られながら漕ぎ出せば、すーっとSUPボードは進んでいき、まるで海の上を散歩しているような心地良さ。色彩豊かなエメラルドグリーンに輝く五島列島の海の美しさに魅了され、非日常のひとときを満喫できます。

五島列島には、キリスト教伝来以降、禁教期でも弾圧に耐え潜伏キリシタンとして密かに信仰し続けた歴史を伝える史跡が数多く残っています。福江島にある「堂崎教会」は、1880年に建てられた五島列島最古の洋風建造物で当時は木造でした。1908年にレンガ造りの教会堂となり、現在は資料館として一般公開されています。


たくさんの潜伏キリシタンが移住した頭ヶ島には、禁教令撤廃後、再び島へ移り住んだ信者たちによって建てられた石造りの珍しい教会堂「頭ヶ島天主堂」があります。また、中通島にある細かな意匠が施されたレンガ造りの「青砂ヶ浦天主堂」も貴重な教会堂で、五島列島観光の見どころの一つになっています。


自然溢れる五島列島には絶景スポットもたくさんありますが、福江島のSUP体験後に訪れるなら、「魚籃観音」の展望所から見下ろす高浜海水浴場の景観は必見。海の色の重なりが生み出す美しさに改めて魅了されます。

福江島の最西端に建つ「大瀬埼灯台」も五島列島を代表する景勝地で、灯台までは遊歩道で約20分。夕日スポットとしても知られていて、日本の夕陽百選にも選定されています。


津島暖流の影響を受け好漁場の五島列島では、とびきり新鮮な海の幸を存分に味わうことができます。特に体長約10cmのキラキラ光るキビナゴの刺身は、ほかでなかなか食べられない五島列島の人気グルメです。福江島にある「いけす割烹 心誠」では、キビナゴの刺身をはじめ、シビマグロやハガツオ (キツネガツオ)、マダイ、アオリイカなど、その時期の旬の刺身の盛り合わせを提供してくれます。「かっとっぽ」と呼ばれるハコフグの味噌焼きも酒の肴に好評なご当地グルメです。


また、五島うどんも有名で、讃岐、稲庭に並び日本三大うどんの一つに数えられています。島特産の椿油を練り込み、しっかりと熟成させてつくる五島うどんは、コシがあって伸びにくいのが特徴です。沸騰した大鍋の中にうどんを入れ、すくって食べる「地獄炊き」が一般的な食べ方で、中通島にある五島うどんの老舗で地獄炊き発祥の店でもある「竹酔亭」では、本場の味を堪能できます。椿油を使っているので、つるっと滑らかな喉ごしで、生卵やアゴ(飛魚)出汁にうどんをくぐらせて食べれば、おいしさ倍増です。

