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スポーツツーリズム TOP 武道ツーリズムへの取組を
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地域資源と武道を組み合わせ
いち早く武道ツーリズムに着手

金沢文化スポーツコミッション
平 八郎 氏

弓道

武道

外郭団体

石川

誘致・誘客

DATA
本社所在地:
石川県金沢市広坂1-1-1 (金沢市役所第一本庁舎2F)
創業年 2018年
事業内容:文化・スポーツ大会の誘致(交流人口の拡大)、参加者への金沢らしいおもてなし(伝統文化体験等)

全国的にもいち早く武道ツーリズムに力を入れてきた金沢文化スポーツコミッション。その代表である平八郎氏は、元ホテルマンとしてのビジネス経験や豊富な人脈を生かし、スポーツイベントのコンテンツ制作から誘致まで、ゼロから作り上げてきました。平氏の取組についてQ&Aでご紹介します。

金沢文化スポーツコミッションとは?

金沢で開催されるスポーツ大会の誘致・誘客を行なっている組織です。2018年に発足し、小学生のドッチボール大会から日本マスターズの水泳大会まで、さまざまな規模の大会をサポートしています。また、大会の普及や大会を通しての交流促進、金沢ならではの文化を発信していくことも目的としています。
当組織の特徴としては、スポーツ大会の誘致だけでなく、参加者向けに金沢文化の体験を組み合わせて展開している点にあります。例えば、大会に出場する学生向けに、金箔貼り体験や加賀八幡起上りの絵付け体験といった、体験のおもてなしをしています。学生たちは全国各地で試合を行っているので、どの試合をどこで行ったか思い出せないことも多いと聞きます。ですので、「金箔貼り体験をしたけど、あれってどこでやったっけ?」というところから、金沢を思い出していただけたらなと。楽しい思い出になっていたら、今度は家族旅行などで来てくれるかもしれませんよね。その後の観光誘致も見越しながら、金沢ならではの「おもてなし」で、皆様をお迎えしています。

武道ツーリズムに着手されたきっかけは?

スポーツ庁で武道ツーリズムが推進され始めたころから、私たちは金沢の武道に着目していました。ちょうど当組織が発足した年に、全日本弓道連盟が全国から選手を集めた弓道大会を開催するという話を聞き、ぜひ私たちに大会を誘致させてほしいとお伝えしました。初年度のため予算はなかったのですが、大会への出資先を見つけ、2018年10月に「全日本弓道遠的選手権大会」を開催。

石川県弓道連盟が70周年の節目の年だったこともあり、とても素晴らしい大会になりました。その後も武道で金沢をもっと盛り上げられないかと考えていたところ、金沢の武道ツーリズム推進とスポーツ庁の武道ツーリズム推進のタイミングが重なったことも相まって、後押しされていきました。

金沢文化スポーツコミッションの武道ツーリズムの特徴は?

弓道と合わせて金沢ならではの文化を体験してもらいたいと思い、禅と茶道を組み合わせたプログラムを考えました。まず、なぜ禅かというと、西洋に禅を広めた鈴木大拙氏が金沢出身だからです。鈴木大拙氏は日本人にはあまり知られていないかもしれませんが、アメリカやヨーロッパでは名の知れた人物です。金沢には「鈴木大拙館」があるので、そこで禅の精神に触れることができます。もう一つ、茶道体験を取り入れたのは、加賀藩祖・前田利家が千利休に師事したことから、金沢では古くから茶の湯の文化が浸透しているためです。現在もお茶会が盛んに行われていますし、

和菓子も有名です。弓道についても改めて調べてみると、江戸時代に金沢出身の武将が京都で開かれた弓道大会で優勝していたようなんですね。また、石川県には旧町名も含め、「弓」の付く地域が7つもあるなど、弓道も金沢との深い繋がりを感じました。これらのストーリーを踏まえて、弓道で汗を流し、禅や茶道で日本文化を体験してもらうことが、金沢らしい武道ツーリズムになると考えてプログラムを作りました。金沢ではほかにも多くの武道を体験することができます。

金沢文化スポーツコミッションの武道ツーリズムの特徴は?

弓道と合わせて金沢ならではの文化を体験してもらいたいと思い、禅と茶道を組み合わせたプログラムを考えました。まず、なぜ禅かというと、西洋に禅を広めた鈴木大拙氏が金沢出身だからです。鈴木大拙氏は日本人にはあまり知られていないかもしれませんが、アメリカやヨーロッパでは名の知れた人物です。金沢には「鈴木大拙館」があるので、そこで禅の精神に触れることができます。もう一つ、茶道体験を取り入れたのは、加賀藩祖・前田利家が千利休に師事したことから、金沢では古くから茶の湯の文化が浸透しているためです。現在もお茶会が盛んに行われていますし、和菓子も有名です。

弓道についても改めて調べてみると、江戸時代に金沢出身の武将が京都で開かれた弓道大会で優勝していたようなんですね。また、石川県には旧町名も含め、「弓」の付く地域が7つもあるなど、弓道も金沢との深い繋がりを感じました。これらのストーリーを踏まえて、弓道で汗を流し、禅や茶道で日本文化を体験してもらうことが、金沢らしい武道ツーリズムになると考えてプログラムを作りました。金沢ではほかにも多くの武道を体験することができます。

地域の武道関係者など、周りの理解を得るために苦労したことは?

武道ツーリズムのプログラムの動き始めで課題となったのが、ビジネスとして成り立たせる理解を得ることでした。茶道については、普段から教室を開いている先生にお願いしたので問題はありませんでした。ですが、武道に携わる団体の多くは、ビジネスを目的として活動されているわけではないので、ご理解いただくのに時間がかかります。民間企業がなぜ事業を継続できるかというと、ニーズのある事業を行い、売上が上がることで利益が出るからなんですね。ですので、まずはビジネスとしての仕組みを作っていかなければ継続することはできません。特に武道を指導されている方々は「ビジネスとして教えているわけではない」という感覚の方が多かったので、ご理解いただけるよう何度も直接お話に伺いました。

武道ツーリズムを実行される上で、ほかに解決すべき点や良かった点は?

例えば、弓道連盟から教えるからには弓道の基礎となる「射法八節」を伝えたいという申し出があったのですが、外国の方にも参加してもらえるようにするためには、それをまず英文にしなくてはなりませんでした。また、弓道を指導する際の通訳の問題もありました。地元の大学に英語で金沢の紹介をしているゼミがあり、英語に関してはそちらの学生の力をお借りすることで解決しましたね。 こういったことを一つずつクリアしていき、最終的には一度やってみようということで、2019年9月25日から10月4日までの7日間で受け入れを行いました。この期間はラグビーワールドカップが開催されており、外国人観光客を誘致するには最適と踏んだのです。結果的に販売数は0だったのですが、サイトへの流入は目に見えて上がりました。通常ですと、1000PV程度だったのが、期間中は4000PVになったので、興味は持たれているのだと実感できましたね。 翌年はコロナ禍に入ってしまったのですが、コロナ禍でも日本人観光客に向けて武道ツーリズムの促進を検討していました。その後一時休止していましたが、現在は民間事業者から商品化の申し出があり、販売数も増えているようです。スポーツには人を呼び寄せる力がありますし、特に武道はインバウンドに有効な切り口になります。利用者数や売上に結び着くまでに多少時間がかかることもあるかもしれませんが、うまく誘致できれば観光にも繋がりますし、スポーツ大会の誘致に結びつくなど経済効果もすごく高いんです。少しずつ積み重ねて続けていくことが大事ですね。

武道ツーリズムを行う上で大切にしていることは?

武道を含め、スポーツを活用した地域振興が効果的なことは分かっていても、どんな手段でやればよいか迷われる方も多いと思います。大切なのは、自分たちの地域の強みを理解し、コンテンツに組み込むことです。日本は、江戸時代には200を超える国(藩)に分かれていたわけですから、どんな地域にも必ずお国自慢があるはずです。それをスポーツとコラボさせること。スポーツはルールが同じであれば全世界どこで行っても同じことができます。ですが、地域の強みや地域資源はその土地にしかない個性です。スポーツを軸にして、そこに地域の個性を加えることで、その地域でしか体験できないものにすることができます。これが、私たちがコンテンツを作る上で大切にしていることです。
もう一つ、「スポーツを楽しむ」ということも大事です。主催する側が眉間にしわを寄せてアイデアを考えていても、参加者が楽しめるものにはなりません。徹底的に楽しいアイデアを考えることが大事です。当組織は毎年、小学生のドッチボール大会を開催していますが、前年と同じ企画を行うのは嫌なので、新しい企画をいつも考えています。今年は会場内で鷹を飛ばすオープニングを企画しました。これも、当組織のスタッフから出たアイデアで実現したことです。できない理由を考えず、今までにない新しいアイデアにチャレンジしていくことが、皆様に楽しんでいただける「おもてなし」になると考えています。

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